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2005年 05月 07日
<尼崎脱線事故>明らかとなるJR西日本の体質
<JR西日本>事故調の指摘後も「定時運行優先」変えず 既に「民営化」されてから18年、旧国鉄の体質、などと言われてもピンと来る人は減っているのかもしれませんが、今の管理職から経営層に至るまで、「旧国鉄育ち」の方々で、JRに残っている人たちはある意味旧国鉄体質を「反面教師」として行動されているのではないでしょうか。記事の中で鎌田慧さんが指摘されているように、効率化のため、「労務管理」が徹底され、マニュアル化、ロボット化が進んでいったのです。そして、その結果、行き着いた先が、自分の職責の範囲外であれば、関係ない、という意識でしょう。実際、天王寺車掌区は福知山線の運行になんの責任もない訳ですから、予定通りボウリングをなさったのでしょう。 国土交通省鉄道局のサイトに「国鉄改革について」という記事がアップされています。旧国鉄の経営破綻から、民営化、改革を行ったことによりいかなる成果があったのか、ということがまとめられていて、記載されているデータなどから最近でも更新が続いていることがわかります。 この記事によると、国鉄の経営悪化の原因は以下の通りです。 ・1960年頃から自動車や航空との競争が激化し鉄道の優位性が失われた にもかかわらず、この変化に対応した経営の効率化等が行われなかった。 ・経営が悪化した1970年代、国鉄運賃の改定には法改正が必要であり、 公共料金の目玉として常に抑制の対象となったため、適時適切な運賃 改定が行えなかった。 ・国鉄という組織が約40万人の職員を抱える巨大な組織でありかつ全国一元 運営の経営形態であるため、きめ細かい経営を行うことが困難であった。 ・労使関係が不正常なものとなりがちで、労使とも生産性向上意欲やコスト 意識が希薄であった。 ・国鉄は、運賃・人事・投資計画等様々な面で国の規制を受けており、経営者 の自主的判断の余地が少なく、経営責任が不明確になり、経営者は自主性 を無くしていた。 ・1981年以降、赤字解消のために運賃の値上げを繰り返し、それが、さらなる 国鉄離れを加速した。 そこで、「分割民営化」が行われた訳ですが、その成果として、以下の6点が挙げられています。 (1)国鉄時代に伸び悩んだ輸送量は、運賃の据え置き(1996年、北海道、四国、九州の平均6.6%の値上げのみが例外)、サービスの改善等により、分割民営化後は順調に増加している。 (2)生産性の向上、運賃の据え置き (3)経営状況は、生産性の大幅な向上等により、政府予想を上回り好調に推移した。 (4)事故件数の低下 (5)関連事業の拡大 (6)各社毎の特色の創出 「事故件数」に関しては民営化直後の88年に900件だったものが、「積極的な安全投資」の結果、02年には468件に半減していること、また、「国鉄時代には全国レベルで画一的であった車両が、分割民営化後は、旅客ニーズ、地域特性等を反映し多様化し、速達性、大量性、アメニティ等各社の特色を反映した車両が登場した。」ことなどが評価されています。 これらは、「利用者からも国鉄時代と較べて①運転回数が増えた、②従業員の旅客に対する態度が格段に改善された、③駅や車両がきれいになった等の評価を得ている。」とのことで、「国鉄改革」が一定の成果を上げ、利用者からも理解されている、ということが書かれています。 私自身も、利用者の立場で、現在のJRが国鉄時代に比べよくなったことは認めます。ただ、この時代のマスコミは「国鉄の効率の悪さ」を問題にしてた訳であり、従来の全国一元の国有鉄道の組織では改革が不可能、との判断がくだされた訳です。そして、民営化後のJR各社は、世論や、利用者のニーズに合わせ、経営を立て直してきたのです。結果として、このような事故が起こると「効率優先」が問題にされます。また、最近は少し疑問がありますが、日本人には「水と安全は無料」の意識があり、「お金をかけて安全性を向上させた」ということにはあまり評価せず、「所要時間が短くなった」ということを評価してしまう人が多いのだと思います。「安全」なのは、当たり前だと。 これからも、鉄道に限らず、いろいろなところで問題が起こってきそうです。私が知る限り、この20年ぐらい、古いものを否定することで、「改革」が成し遂げられてきたひずみが出てきていて、あらゆる「職業」が誇りを持ってできなくなってきているように思います。少し、振り返って考えて見る必要があるように思います。
by f16fightingfalcon
| 2005-05-07 12:11
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