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2005年 08月 30日
発火・爆発の心配がない新型リチウムイオン電池
この記事、原因がどこにあるのか不明ですが、かなり事実誤認が含まれています。 「化学的には単純なことだ。リチウムイオン電池は非常に強力なため、ノートパソコンや携帯電話で広く使用されているが、単位グラム当たりの発電量を大きくするために用いられる酸化コバルトは揮発性が高い。つまり命にかかわるような爆発を起こす危険性がきわめて高いので、たとえば自動車といった、大規模な用途には適さない。」 「リチウムイオン電池は、現在ほとんどのハイブリッド車や電気自動車で使用されているニッケル水素電池よりもエネルギー密度が高い。つまり同じ重さのリチウムイオン電池とニッケル水素電池を比べた場合、前者のほうが高い電力を長時間維持できる。しかしほとんどのリチウムイオン電池は酸化コバルトを使用しているため、充電や放電があまりにも急激だったり、電池が物理的に傷ついたりすると、発火・爆発(写真)のおそれがある。」 ・「酸化コバルト」は使われていません。「コバルト酸リチウム:LiCoO2」というリチウムとコバルトの複合酸化物が使われています。 ・酸化コバルトでもコバルト酸リチウムにしても、セラミックスの一種ですから、「揮発性が高い」などと言う事は人間が生活する環境では考慮する必要はありません。 ・燃える恐れがあるのは「電解液」で、炭酸エステルなどの有機溶媒で、消防法上ではガソリン並みに可燃性が高いものが使われています。車には遥かに多い量のガソリンが搭載されていますし、エンジンに送り込んでシリンダー内で「爆発」させて動かしていますから、電池内に密封されている量の可燃物が原因で「自動車に使用できない」と言う訳ではなさそうです。 ・リチウムイオン電池は「蓄電池」の一種ですから「発電」は行いません。外部からエネルギーを注入しない事にはエネルギーを持っていません。 ・特定の条件、例えば充電量がいっぱいになっても強引に充電を続ける(注:通常このようなことが起こらない対策が充電器になされている。)、使用範囲を超えた温度にする(例えば火あぶりにするなど)、プラス極とマイナス極を短絡させる、弾丸を撃ち込む(内部の電極が電導体である弾丸で短絡する。)、などといったいわゆる「濫用」時には爆発や火災の恐れがあります。これらの現象が起こっても、一定の基準で安全性を確保したものが市場に出されています。 今にも「命に関わる爆発を起こす」ような書き方になっていますが、普通にインストラクション通りに使っていれば、通常このような事態に陥ることはありませんし、大型化しても必要な対策がなされたものが市場に出ていると考えます。また、このような観点から、日本の電池メーカーも、特に大型の場合は「コバルト酸リチウム」を使わないより安全性の高い材料を使った電池が市場に出ています。 携帯電話や電気自動車などに使われる電池は、その用途(どの程度の電流が必要なのか、どれだけの電圧が必要なのか)によって、必要な電池の種類や構成が決まります。セグウェイに搭載して航続距離が伸びたそうですが、セグウェイに適した使い方に構成できた、と言う事でしょう。また「可燃性のある電池は問題外だ。」と言う事ですが、特にサフィオンがリチウムイオン電池の一種であるとすれば、可燃性のないものだけで電池を構成する事は不可能です。比較広告が許されているとはいえ、このような形のキャンペーン、あまりフェアとは言えないと思います。 リチウムイオン電池について詳しく知りたい方は電池工業会のサイトなどを参照してください。
by f16fightingfalcon
| 2005-08-30 16:25
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