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2005年 11月 25日
「信濃!―日本秘密空母の沈没 光人社NF文庫」を読みました。第2次大戦中の日本海軍の航空母艦『信濃』を撃沈した米潜水艦「アーチャーフィッシュ」の艦長による戦記です。『信濃』は大和型戦艦の3番艦として建造が開始されましたが、ミッドウェー海戦で主力空母を失った日本海軍が途中で航空母艦に設計変更した船です。横須賀海軍工廠で建造されましたが、航空母艦としての艤装を呉海軍工廠で行うことになり、横須賀から呉へと回航する途中、アーチャーフィッシュの雷撃により撃沈されました。『信濃』にとっての処女航海で、出航後9時間ほどで被雷し、8時間ほどで沈没に至ります。この本はその17時間あまりのドキュメンタリーです。その潜水艦艦長であるエンライト氏により克明に書かれた臨場感溢れるドキュメンタリーで、1987年に出版された本書は40年以上の歳月を経ても、日本側のものも含め、さまざまな記録を駆使して克明な戦記となっています。
処女航海出航後わずか17時間で没してしまった理由はさまざまですが、未完成の状態であるにもかかわらず、海軍省本部の命令により出航せざるを得なかったこと、乗員が艦に慣れていなかったこと、艦長である阿部大佐の性格など、さまざまな要因が重なってこのような結果になってしまったと思われます。わずか1隻の潜水艦に追尾されているのに、数隻の潜水艦群に追われていると思い込んでしまった阿部艦長と、エンライト艦長との駆け引きがスリリングでした。結果として、期待の最新鋭航空母艦を数時間で失ってしまった海軍省本部の衝撃は相当大きかったのではないかと考えられます。 この本の中で、潜水艦アーチャーフィッシュの説明がありましたが、乗員の食事のためにコック2名とベイカー1名が乗艦しており、乗員は空いている時間は基本的に自由に食事が出来たことや、エンライト艦長が艦長に就任した際、乗員の生命と、国費800万ドルをかけて建造した船を守ると言う米国納税者に対する責任を感じていた、という話が印象的でした。これに対して、沈没が明らかになっても、艦と運命を共にすることを美徳とされていたり、「ご神影」を保全することを最優先せねばならなかったような国が戦争すれば、どのような結果になるのか明らかではないか、といまさらながら思いました。
by f16fightingfalcon
| 2005-11-25 01:24
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