profileage:44 sex:MALE residence:ibaraki occupation:engineer favorite: *Machintosh *Photographs *Watching Birds *Classic Music *Movies *Reading Books *Making Models *Swimming *Zen linkAmazon Japan フォロー中のブログ
カテゴリ
最新のトラックバック
以前の記事
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 12月 24日
<ES細胞>論文は「ねつ造」とソウル大 黄教授、辞職へ
とうとう捏造と断定されてしまったようですが、どこまでが本当でどこからが捏造か、薮の中になってしまうのでしょうか。 Scientific American誌が選んだ「2005年のベスト50」のトップ、最優秀研究リーダーにこの黄教授が選ばれています。 ・世界に先駆けてヒトクローン胚から胚性幹細胞(ES細胞)を作った(2004/2)。 ・それぞれ別の患者と遺伝的に完全に適合した11の幹細胞株を作り出した(2005/5)。 ・クローン犬を誕生させた(2005/8)。 ということで、高く評価されていて、特に2番目の成果が重要だと言われていたようです。核を取り除いた卵子に皮膚細胞の核を注入してクローン胚を作製し、皮膚細胞を提供した人と同じ遺伝的性質を備えたES細胞が得られた事を「実証」した、ということになっています。この成果から、患者本人の遺伝的性質を備えた幹細胞を作製し、移植するといった臨床応用が期待され、注目を集めることになりました。 今回の調査では、この2番目の成果が完全に否定されてしまったのですが、この分野の研究に対して法律的規制が緩いのが英国と韓国で、このような研究がすすめやすい状況にあって、黄教授は2004年の結果が出た段階で世界のトップに躍り出てしまったのだと思います。韓国政府や国民の期待を背負って、莫大な資金を投入して研究が進められ、「何らかの成果を出さざるを得ない状況」になってしまったのかもしれません。仮に2004年までの成果が真摯に研究した結果得られたものであるとすれば、このような取り返しのつかない行為に出てしまった事が惜しまれます。このような最先端の研究は何年も進歩がないかと思えば何らかのブレイクスルーで大きく進歩する場合もあります。資金を提供する方もそのような事を理解し、短期的な成果を求めないことが必要になるのかもしれません。科学者は、資金提供を受ける以上、分かりやすく長期的な展望と、期待を説明する義務があるのだと思います。展望と期待、言わば「夢」を資金提供する人たちと共有できる事が重要なのだと考えます。 調査委は、黄教授が世界で初めてヒトクローン胚からES細胞の作成に成功したと報告した昨年2月のサイエンス誌論文や、世界初のクローン犬を誕生させたとする今年8月の英科学誌ネイチャーの論文についても検証結果を近く発表する。 黄教授の成果をどのように評価すべきなのか、調査委の調査結果を待つことになりますが、「権威ある」と言われていたサイエンスやネイチャーといった媒体の信頼性にも影響を与えることになりそうです。結局は「商業誌」ですから、話題になりそうな成果を載せる、というスタンスである訳で、黄教授の成果が取り上げられたのは当然です。内容についての検証が不十分であった、ということになるのでしょうが、日本で言えばNewtonや岩波の「科学」のようなものですから、そこまで責任を追及するのはかわいそうです。単なる「雑誌」が科学的権威を持っていると思われた事が不幸なのかもしれません。 日本の科学者も「サイエンスやネイチャーに掲載されれば一流」などと言った風潮がありますが、改める必要があるでしょう。
by f16fightingfalcon
| 2005-12-24 11:55
| News
|
ファン申請 |
||