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2005年 12月 26日
今日はギュンター・ヴァントの第9です。ヴァントさん、かなり細部にこだわる方のようです。細部にこだわりつつも、バランスを失わず、曲全体の造形が崩れないのは素晴らしいことです。軽快なテンポを保ちつつ、何事もなかったかのように演奏する中に細部へのこだわりが潜んでいるような感じです。要するに完璧主義者で、いかなるパートも完璧な演奏を要求し、それでいてバランスの取れた完璧な造形を求めるのがヴァントさんのスタイルです。この時代、NDRを振ったヴァントさんは極めて整った造形のシンフォニーを聞かせてくれています。もちろん、この第9も例外ではありません。
ヴァントさん、同世代の指揮者が次々とお亡くなりになって行く中で、90歳(1912-2002)の長寿を全うし、かつ最晩年まで現役で指揮活動を続けていた関係で、『最後の巨匠』と言うような評判を呼び、晩年のベームのように「アイドル化」してしまいました。それまで「客演嫌い」だったはずなのに、ベルリン・フィルやミュンヘン・フィルなどに客演しています。もちろん晩年に至るまで、完璧主義者であることはやめませんでしたが、年を重ねるごとに、完璧さがバランスを失い、それぞれのパートは完璧に演奏しているけど、ただそれだけ、と言ったような演奏になってしまったようなところがあるのは残念です。過ぎたるは及ばざるが如し、と言いますが、年を重ねるに従い、曲全体の造形の完璧さが思うに任せなくなっていく中で、オーケストラは相変わらず完璧に歌おうとします。「過剰な完璧さ」は不必要です。チェリビダッケのようにバランスをとってよい具合に年齢を重ねたいものです。 この時代のヴァントさん、ベルリン・フィルといった絢爛なる響きのオーケストラよりもNDRのような渋い、いぶし銀のような響きのオーケストラとの演奏が、ヴァントさんにはよりふさわしかったのではないかと思います。 この演奏、私は好きです。 ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」 ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 北ドイツ放送合唱団 イーディス・ウィーンズ(ソプラノ) ヒルデガルト・ハルトヴィヒ(アルト) キース・ルイス(テノール) ローラ・ヘルマン(バリトン) 1986/5,6 ハンブルク・北ドイツ放送局 BVCC-37218(BMG)
by f16fightingfalcon
| 2005-12-26 00:41
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