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2006年 06月 08日
<訃報>弥永昌吉さん100歳=東京大名誉教授、学士院会員
彌永昌吉先生、1906年のお生まれで、東大理学部数学科で高木貞治先生の元で整数論を研究された碩学で、100歳でお亡くなりになるまで現役の数学者を続けられました。 1999年、彌永先生93歳の時に出版された「ガロアの時代、ガロアの数学」という本を読み、明晰な文章に驚いたことを思い出しました。エヴァリスト・ガロアは1811年にフランスに生まれ、21歳の時に「決闘」によってなくなった数学者で、短い生涯の間に代数論についての業績を残しています。彌永先生は代数的整数論の研究者として、ガロアの理論を使う立場で、ガロアの生涯とガロアの数学を時代背景とともに書き残したい、と言うことでこの本を執筆されています。第1部時代篇、続きは3年遅れ、2002年に第2部数学篇としてまとめられました。これまで、ガロアについてはその数奇な生涯について書かれた伝記や、ガロア理論についての専門書はあったものの、それらを合わせて数学と時代背景の両面から語った本がなかったため、執筆されたとのことです。 「時代」の部分は私にも何とか理解できますが、数学の部分はさすがに難しいです。第2部の第3章はガロアの主著である「方程式が根号で解けるための条件についての論文」の翻訳となっており、「なるべく原文に近い形で読者にガロア自身の言うところをそのまま理解していただくよう試みた」とのことですが、さすがにこのような数学の論文に慣れていないと「理解した」とは言い難いです。しかしながら、彌永先生のガロアに対する傾倒ぶりが感じられ、90歳を超えてこのような本を執筆するに至った使命感のようなものを感じました。このような形でガロアの業績を踏まえて伝記を書くことができるのは彌永先生以外に考えられなかったのではないかと思います。 100歳まで、生涯現役の数学者であった彌永先生、レベルや分野は違いますが科学者の端くれとして、うらやましい人生です。99歳で出版された自叙伝も読んでみたくなりました。 お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。
by f16fightingfalcon
| 2006-06-08 00:13
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