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2006年 06月 19日
<エレベーター事故>事故機の保守会社員、ずさんな点検証言
こんな所まで競争入札にしてしまったためにこのような事故が起こったと言うことでしょう。前にも書きましたが、本来、製造者が寿命末期までの保守点検を行い、それによって製品寿命までの全体として利益が出る構造になっているはずで、それが随意契約であるから競争入札にする、と単年度ごとの入札にしてしまったために、このような事態となったのではないかと考えます。官公庁の予算は単年度会計であり、一度設置したエレベーターなどの資産の保守点検も単年度事の契約になってしまい、そこに入札を行うと、「独立系」と呼ばれる保守業者が安値で応札して製造者の利益を奪うことになります。もともと、設置して数年経過したものは、普通は安定して稼働するため、保守も簡単であり、部品交換などもほとんどなく、利益が上がる仕事になりるため、独立系業者が狙っています。 設置初年度からの保守作業を競争入札にしても、初期故障などの対応があり、利益が出にくいため、応札する保守業者は居ないのではないかと思えます。途中から競争入札にするのであれば、製造者と保守業者の間の仕事の分担を明確化し情報提供などをルールとして定めるべきです。 シンドラー社は利用者の安全のために、これらの独立系業者に対して設計図やマニュアルを提示しなかったことが責められそうですが、本来、いくら安値で応札しても、保守点検ができるかどうかを見極めた上で契約する必要があるわけで、製造者から情報が引き出せないような業者に委託したのがそもそもの間違いです。 東京都港区のマンションで都立高2年、市川大輔(ひろすけ)君(16)がエレベーターに挟まれて死亡した事故で、事故機の保守点検を請け負っていた「エス・イー・シーエレベーター」(台東区)の技術系社員が毎日新聞の取材に応じ、「メーカーからの製品情報がほとんどなく、部品の調整が怖くてできない」と証言した。業界の情報の閉鎖性と保守点検業務の危うさが浮かび上がった。安値で応札し、本来利益を出さねばならない安定期の保守点検作業だけを奪っていく業者に対して、製造者はサービスする必要があるのか、と疑問です。これを「業界の閉鎖性」などと言ってしまうと、業界自体が成り立たなくなります。このような他社のノウハウを含む情報がないと作業できないような業者が応札してくる方が問題ですし、このような業者に発注する方も反省する必要があります。 事故機の保守点検は当初、製造元のシンドラーエレベータ(江東区)が行っていたが、その後競争入札になり、05年度は「日本電力サービス」(多摩市)、06年度はエス社になった。エス社は今年4月から事故発生の6月3日までに4回の点検をしていたが、ブレーキの不具合を感じながら補修は一度もしていなかったことが明らかになっている。その間もトラブルは何回か起きていた。今回の事故は製造者にも原因の一端があったようにも思えますが、製造者が保守をしていればここまで大きな事故にはならなかったのではないかと考えられます。保守業者が「今のような業界の状況では、いつかどこかで重大事故が起きかねないという不安を持っていた」などと言っているようでは怖くてエレベータに乗れません。
by f16fightingfalcon
| 2006-06-19 00:29
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