Today's "Choral" in iPod:Karl Böhm

　今日の第９はカール・ベームの新しい方の録音で、かなり高齢になってからの演奏です。あの当時のウィーン・フィルでないとついて行けないのではないかと思わせるようなゆったりとしたテンポで、一つ一つの音を噛みしめるような演奏ですが、さほどの緊張感はなく、管も弦もウィーン・フィルの音が伸びやかに響く演奏です。第３楽章など、ベーム以上に美しい演奏はありません。第４楽章の歌手陣、これだけの豪華キャストも珍しいです。ソプラノのノーマンのつややかな歌声や、ベリー、ドミンゴの独唱も朗々と響きます。曲全体の造形としては古い演奏の方が整っているのでしょうが、こちらの演奏も捨てがたいです。

ベートーヴェン
交響曲第９番ニ短調作品125「合唱」
カール・ベーム
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱連盟
ジェシー・ノーマン（ソプラノ）
ブリギッテ・ファスベンダー（アルト）
プラシド・ドミンゴ（テノール）
ヴァルター・ベリー（バリトン）

1980/11
ウィーン
UCCG-8004 (Grammophon)